恒例の文化講演会が6月9日午后6時半から、東京・千駄ヶ谷の野口記念会館で開かれた。この日の講師は、母校教諭時代の昭和54年、会津高校男声合唱団を全日本合唱コンクール全国大会で初の金賞に導いた安部哲夫氏(高13回)。
安部講師は、野球を志した時代に始まって現在の(株)会津磐梯カントリークラブ(CC)の経営を預かるまで、経歴を区切りながら「愛しい母校」と題して川島会長以下約40名の会員を前に講演した(写真)。
講演は、①会津高校の生徒②高校教員③会津高校の教員④県教育委⑤会津磐梯CC責任者と時代を分けて進められた。圧巻は、上記の金賞に始まる3年連続の全国大会金賞獲得とそこにいたるユニークな指導ぶり。
男子高校で合唱をやることについて、生徒はもちろん保護者の意識の改革が必要だったこと、思い切って土・日の練習は休みにしたこと、生徒一人一人の個性をいかすよう努めたことなどが明らかにされた。
また、それを集約した「待つ」、「許す」、「叱る」という対応の使い分けは、人材養成一般に通じるものとして注目された。
講演の途中、初の金賞獲得時の自由曲「ゆうやけの歌」合唱を講師持参のポータブルCDプレイヤーで鑑賞した。力強くかつ繊細な男声合唱の響きが半世紀近い時間を超えて蘇った。
終了後、講師を囲んで懇親会が開かれた。安部氏が武蔵野音楽大を受験した際、指南役を務めた同大OB菊地俊一氏(高5)の発声で乾杯し、安部夫人と小野高校時代の教え子の女性2人も加わって歓談した。
会報委員長 丹藤佳紀(高11回)